スモモ @Bertais, Lombok
2002年1月3日、家の井戸の横でAjikに抱っこされて変顔のスモモ。この井戸は割と浅く、乾期(ほとんど雨が降らない)の昼下がりになると水がよく無くなった。そうなるとmandi(水浴び)はもちろん、料理もできない。夕方になるとまた少しずつ水が湧いてくるので、その瞬間にmandi!タイミングを逃すと、同居のほかの家族に貴重な水を使い切られてしまったり、夜になってしまったりと大変。何故って、いくら熱帯とはいえ、夜に真水を浴びるのは勇気がいるから。
熱帯気候って、一日中うだるように暑い・・・というイメージがあるかもしれないけど、私の経験から言うと、一日のなかに四季がある感じ。早朝は日本の春先のように涼しく、午前10時から夕方5時ごろまで真夏。でもその後夜中までは秋口、それから早朝まで半袖じゃ肌寒い感覚。要するに、昼前からの約7時間をどうしのぐかってことに私の関心は常にあった。こっちの人は屋外の木陰などで暑い時間をゆったりと過ごす。丁度暑い時間帯にはあまり外を動き回らない。歩くのも、動作もゆっくり。家にいた数人の通いのお手伝いさんも、ゆっくりゆっくり言われた仕事をこなしてくれていた。
そう、お手伝いさんといえば、うちは決して裕福な暮らしではなく、テレビは途中でおじさんからもらったし、洗濯機もない。でも、食べていけるだけのお金は充分ある。そこで、普通は貧しい生まれの人を数人、通いのお手伝いさんとして雇う。日本円でいう10円か20円ぐらいのお金で、早朝の市場への買い出し、料理、手洗いの洗濯、子守り、家の掃除、アイロンがけ等何でもしてくれる。はじめは、日本人の私は人にお金を渡して何かをしてもらうことに抵抗や遠慮があり、「よかったら手伝おうか?」なんて尋ねたりして、お手伝いさんに困った顔をさせていたものだったけど、あとになって、私が彼女らの仕事を奪ってしまったら彼女らはお金を得る術がなくなってしまうことになると気付いた。人に無償でお金やものを乞うのではなく、労働を提供して報酬を得ようとする彼女らのプライドを傷つけてはいけないなと思った。彼女らにしてみれば、うちはやっと得た働き口。辞めさせられないよう、一生懸命働きますっ!・・・ではないんだよ。これが。大雨が降ったり、子どもが病気になったりしたらすぐに勝手に休むし、病気のまだ治っていない子を抱いて現れたりするし(うちの子にうつるっ!)人によってはサボるし、ある日別れもお礼も言わずにいなくなるし。だけど、うちに来てくれる彼女らには、市場での値切り方、bumbu(バリ料理のソースや調味料)の作り方(石臼でエシャロット、にんにく、塩などを石でグリグリと挽くんだよ、私は何度聞いてもそれの名前が覚えられず、いつも「グリグリ」と呼んでいたので、いつしかうちではみんながグリグリと呼ぶようになった)、コーヒー豆の煎り方(かさを増やすために少しお米を混ぜて何時間も弱火で煎る)などほんとに色々教えてもらった。というか勝手についていったり横でじぃっと眺めていたりと、私は彼女らにとってはどんなにか変な外国人だっただろう。
コーヒーと言えば、ここではKopi Lombok(ロンボクコーヒー)を毎日飲む。ネスカフェみたいなきれいにお湯に溶けてしまう粉末ではなく、見た目は泥水のようで、粉っぽくて、飲むと口の周りや歯が真っ黒になる。だから私はいつも少し冷めて粉が沈むまで待つ。そうすると、いかにも今コーヒー飲みました、みたいな風貌にはならないから。また、ブラックで飲むには苦すぎるので、私はいつも砂糖と缶のコンデンスミルクを入れて飲んでる。これを飲んで私の一日が始まる。
1月19日、スモモ2ヶ月。このごろよく笑ってくれるようになってきた。下に敷いているのは日本の布オムツです。こちらではどんなにオムツをたくさん使っても、早朝に洗濯したら昼前にはカラッと乾くので、布オムツで快適。むしろ紙オムツの方が、通気性が悪く肌荒れの元になっていたはず。それに何よりインドネシア製のオムツは品質が悪く、かといって外国製のは食費よりずっと高価!じゃあこっちの人は何を使っているのかというと、いきなりパンツ!濡れるたび全身お着替えタイム。抱っこしてる時におしっこしたら、抱っこしてる人まで全身お着替え。それが普通。洗ってもすぐ乾くしね。なので私が日本の布オムツを持っていった時には、「使わなくなったらちょうだいっ」と予約殺到。こういうものがここにもあればいいのにね。
1月27日、スモモはクイーンサイズのベッドの上で遠慮なく寝返りを始めた。でも首はまだ頼りないから、頭を持ち上げることはさすがに無理だね。周りからはスモモはいつでもbayi cepat(成長の早い子)と呼ばれてた。
この頃、たくさんの予防接種を受けた。こちらの赤ちゃんへの予防接種はもちろん受けなければいけないけど、任意が基本。だから日本と違い、費用がかかる。BCG、Polio(ポリオ)、DPT(三種混合:百日咳、ジフテリア、破傷風)など、日本でも必須のものから、Hepatitis B(B型肝炎)のように日本ではしないものも。こちらではいまだにB型肝炎で亡くなる人や赤ちゃんがまだまだ多いそう。うちでは、家族に医者がいたので、スモモはほとんど無料で、しかも家に来てくれ接種を受ける事ができた。(でも費用の代わりに来てもらったお礼にお菓子や料理を振舞ってもてなしたので、あまり変わらない?)
数回、町内の巡回検診のようなものがあり、同じぐらいの月齢の子を集めて身長や体重を測ったり、お母さん同士おしゃべりしたりと楽しい時を過ごした。といっても、日中働かずに家に居られるような層のお母さんがほとんどだったけど。身長は、日本と同じやり方で(身長計は日本の協力隊JICA寄贈のもの)寝かせて測ってもらったが、体重を量るのが面白かった。いきなり端を結んだ風呂敷のような布(ちょうどコウノトリが赤ちゃんを運んでくるあのイメージ!)に入れられ、その辺の木の枝に吊り下げられて、昔の八百屋のような量り方で計量!きょとんと入っているスモモが愉快で、写真を撮らなかったことを後悔している。
2月18日、ちょっと早いけど、日本の両親が送ってくれたミッキー&ミニーのお雛様を飾った。周りの家族や友人は、日本の節句に興味深々。こちらには特に子どもの節句はない(はず)。でも私はあんまり日本の節句の由来とかに詳しくなく、もっと勉強しておけばみんなに教えてあげられたのに、と何度も思ったよ。
2月25日、家で育児と家事ばかりしてイライラが募っていた私だったけど、今日は贅沢にもtaksiでCakraのスーパーRUBYへ。ここにはなぁんでもあるし、庶民向けで安い。ストレス解消に?何やかやとすごくたくさん買い物をした。大好きなパン屋さんで色んな種類のパンも買った。久しぶりに外へ出て楽しかったぁぁ!
パンとかお菓子とか、甘いものはテーブルに置いておくとあっという間にすごい数のアリに食べられてしまう。すぐに甘いにおいを察知してどこにでものぼってくる、ここのアリはすごいなあ!!なんて感心してる場合ではなく、どうするかというと、甘いものを小皿にのせ、それをさらに少し深い皿の上に置く。そして深い皿には水を入れておく。そうすることで、アリは小皿にまではたどり着けない。
だけど今すぐに食べるわけじゃないし・・・というものをどう安全に保管するか?ある日ベッドの上のかもいに吊るしてみた。これで安心!と思って寝たら、次の日、見事に袋ごとねずみにかじられていました・・・。敵はうわてだ。色々試行錯誤し、とりあえず深めのタッパー(の模造品)に入れて保管することに。そうしたら!鮮やかな黄緑のタッパーだったからよけい目立ち、小さい甥っ子たちに中身をせがまれたのでした。